ドキュメンタリー映画 Street wise を観てほしい
1983年・86年公開 米国 ドキュメンタリー
「street wise 」 邦題 子供たちをよろしく
古い映画になりますが、street wiseというドキュメンタリー映画を紹介したいと思います
この映画は公開が86年なのでずいぶんと前になります、当時はアカデミー賞候補作品としてエントリーもされた話題作でした。
内容は長編のドキュメンタリーで、米国のシアトルで暮らす14歳から19歳までのティーンエイジャーの日常を収めたもの。
何年も前になりますが、ある資料を探していた時に、たまたま読んだこの映画のレビューがあまりに素晴らしく 胸を打たれまして、実際 観たとき心を撃ち抜かれてしまいました。
そのレビューにはストリートチルドレンなる言葉があり、street wise というタイトルの wise という賢いとか賢くなるといった意味合いと重なって、たぶん社会的なメッセージを含むモノだろうと私は考えていました。
― 概要 ―
このなかに出てくる少年たちの親はどこにもいません、親達が見ているのは自分の人生。その人生の歯車がどこかで狂ってしまい、座礁したままの自分の人生をどうすることもできずにいる大人達。言葉にするなら子供達は荷物のようなもの…
いっぽう子供達は、そんな親から子供として当然 受けるべき愛情も保護も得ることができず、路上で生きることを余儀なくされます
麻薬、売春、恐喝、物乞いをしなければ、生きていけない子供達の姿。
しかし彼らは、自分の その状況を嘆いて悲しみ涙する大人達とは違い、生きていくために命を削りながら知恵と力を得ようとします
また、笑顔で自分の恋や将来の夢について語り、あしたの自分を想い描き、心の中で親達の幸せを願っています。
断片的にストーリーが進み、ラストは最悪の事態に至ります。そこにも救いはありません
とまぁこんな感じの映画ですね、ふぅ~っ…
この映画の根底にあるのは社会の中での孤立と孤独。彼等には非合法だとしても住む家があり、今日を生きるためのお金ももっています、たくさんの友達がいるのにもかかわらず
映画のなかでドゥウエインという少年が自分の夢について「両親と一緒に家に住んで、自転車を乗り回したり、そして働いて貯金をする。そんな生活をしたい」と語っています。
まぁ今回あらためて観たのですが、どこまでが、ドキュメンタリーなのか?という見方もなきにしもですが、プライベートな作品ではないので致し方ない部分かもしれません。
当時、この作品を観るのに何年もかかってしまいまして、公開時にVHSテープ、LDのみ発売されたものらしく、いくら探しても入手できませんでした、いわゆる絶版てやつですね。稀にオークションで見かけても○万円…
じゃ観れんやん?と思いでしょうが、なんと 少し前にYOU TUBE に UP されてました
余談ですが、音楽はトム・ウェイツで最後のほうで Take care of all my children なる曲を聴けますが、歌詞が素晴らしいです。
監督:Martin Bell
脚本:Cheryl McCall
音楽:Tom Waits
color-92分・英字幕