願い
ある男が一人の男性に嘆願しています。彼は余命 幾何もない身でありまして、その内容は彼が個人的に所有する莫大な現金資産を その昔別れた妻子に届けて欲しいとの旨。
そんなん自分で持ってくか、振り込めばいいやん と思いますが、どうやらそうは出来ない理由があったようです。
彼は闇社会に生きた人間で そのお金は いわゆる「汚れたお金」。まだそうなるずっと前、家族は裕福ではなかったけれど共に支えあって生きていたのです。お金さえあればもっと みんなが幸せになれるのに。
誰もが心に描く万人共通の想いですね。ただ 彼はやり方を間違ってしまい、愛する妻と子供を犯罪者の家族としてしまい不幸にしてしまいます。
死の請負人(遺言執行人)に想いを託し何度も確認します、間違いなく 確実に届けてくれるのかを。そりゃそうです、自分の死後のことですから確認のしようがないのですから
念を押すように最後にもう一度。その時 請負人が彼に こう尋ねます、私が信じられますか?私を信じられるのならば心配は無用です。彼は言葉を重ねることができませんでした。
このあと話しは結末を迎えますが、正直よく覚えてません。 この場面でいろいろ考えてしまいました。 彼が悪人ではないことはわかります、家族の幸せを願う一人の男。何故に道を踏み外してしまったのでしょうか?
あの日に戻れたなら、きっと彼もそう思ったに違いありません。し・か・し犯罪を犯してまで手に入れる価値のあるものなど存在しません。どこに落とし穴があるのかわかりませんよ、注意が必要です。